
「4月から初めて担任を持ちます。子供たちは体育を一番楽しみにしていますが、収拾がつかなくなってドッジボールだけで終わってしまいそうで不安です。最初の1時間で『ルールを守る大切さ』と『体育の楽しさ』を両立させるにはどうすればいいでしょうか?」
新年度を控えたこの時期、若手の先生からこのような切実なご相談をいただきました。
体育には教科書がありません。だからこそ、最初の1時間で先生が**「何を大切にしているか」**をシステムとして見せることが、1年間の成否を分けます。
今回は、私が毎年実践している「授業開きのデザイン」を回答として提案します。
【回答】みんなが楽しむために何が必要かを考える!

体育の1時間目で達成すべきことは3つ!
①体育へのワクワクを演出!
②ルールやマナーを確認!
➂考える楽しさを伝える!
この3つが達成できれば、体育の授業開きは大成功です!
それでは、具体的な展開を見ていきましょう。
【デザイン案】授業開きの1時間構成
①準備運動(5分)……ここでは分かりやすく準備体操とします。
私は体育係を作って、その子たちを中心に準備体操をさせます。

準備運動についてはいろいろな考え方がありますが、体育係を中心にする目的は「体育を通して自治的なクラスを作っていきたい!」ということ。子どもたちで活動を進められる場を作ることは、学級経営につながります。
③準備運動2(主運動につながる運動)
【音楽縄跳び】
30秒運動・10秒休憩のインターバル形式で行います。プログラムタイマーと曲を用意するだけです。
工夫: 曲をかけるだけで体が自然と動き出します!明るい曲をかけると、雰囲気も明るくなりますね。

よくやりがちなのは「跳べる回数競争」。引っかかった人から座っていくやり方ですね。これをしてしまうと、縄跳びが苦手な子たちはすぐに座って後は待つだけ。暇になると遊び始めてしまう……。こんな状況は避けたいですよね。
30秒という決められた時間内は引っかかっても何度でも挑戦するようにすると、どの子も運動量が確保され、集中力が持続します。
【二人組じゃんけんで動き作り】
二人組を作ってじゃんけんをします。例えば、「勝った人は馬跳び3回!終わったらまたじゃんけんするよ!先生が笛を鳴らすまで続けよう!」。じゃんけんを入れるだけで、単調な動きでも子どもたちは集中力が続きます。

ここで、体育のルールを確認します!
「笛が1回鳴ったら、その場でストップ!先生を見るよ!
2回鳴ったら、先生の周りに集合!」
笛を使い分け、素早くできた子を思い切り褒めることで徹底していきます!
ただ「先生の言うことを聞け!」というのではなく、切り替えを素早くすることで、たくさん楽しい活動ができるというよさを子どもたちに伝えたいですね。
②主運動(体つくりの運動)
Ⅰ.全員敵のドッジボール(天下、かたき)
その地域によって呼び方が違いますが、全員敵のドッジボールをします。これは、ドッジボールですが、コートもチームもありません。文字通り全員敵。当てられた人は、ステージの上へ。自分を当てた人が当てられたら復活するというルールです。

ここでのポイントは、ルールをみんなで作る経験をすること!
5分くらいしたら、一度みんなを集めます。そして「やってみてどうだった?困ったことがある人はいるかな?」と聞いてみます。そうすると、「ずっとボールをもっている人がいてボールが回って来なかった…。」「ボールを何個も持つのはあり?」といろいろ出てきます。「どんなルールにしたら、みんなが楽しめると思う?」1つ1つみんなでルールを決めていきます。そして、「こうやって、みんなが楽しめるようにルールを考えることも、体育の学習の1つなんだよ。」と伝えていきます!
Ⅱ.毒蛇
学年でも、体育館半分くらいで十分!増やし鬼の変形版ですね。鬼は、毒蛇(床にうつ伏せ状態)になります。鬼以外は、タッチされないように逃げ回ります!タッチされた人は毒蛇になります。

ここでのポイントは、途中に「毒蛇タイム(鬼の作戦タイム)」を取ること。「横一列になって一網打尽作戦だ!」「端に追い込めば捕まえられそうだよ!」自然と話し合いが生まれます!運動が得意な子も苦手な子も作戦を立てることで楽しむことを経験できます!
Ⅲ.コーンリレー
子どもたちが大好きなリレー。これを応用していきます。チームは6~8人くらいで1チーム。
【1回目】単純に向かい側の壁にタッチして戻ってきたら次の人に交代!最後の人が戻ってきたら座る。
【2回目】コーンを1個壁までの間に置きます。置く場所はグループごとに決めてOK。コーンは1周してから通り過ぎます。
【3回目】コーンを2個に増やす。どこに置くかで順位が変わってきます!

コーンをどこに置くかで順位が変わってくるんですね!どうしても体育が嫌いな子って「僕は足が遅いし……」「私は下手くそだし……」と思いがち。でも、考えることで結果が変わるという経験をすることで、体育のイメージを変えていきます!
④整理運動
軽く体操をして、最後に語ります。

「今日は、いろんなことを学習したね!体育はね。運動が得意な子だけが活躍するものではないよ!苦手な人も、作戦を考えたり、みんなが楽しめるルールにしたりすることで活躍できる!そんな楽しさもあるんだよ!これから運動が得意な人も、苦手な人も一緒に楽しめる体育にしていこう!」
メッセージ:体育は「学級の鏡」
私は常々、**「体育には学級の状態が現れる」**と考えています。 体育で失敗を責め合うクラスは、教室でもそうなります。逆に、体育で助け合い、ルールを守れるクラスは、教室でも最高のチームになれます。
最初の1時間、「運動が得意な子だけが活躍する場所ではないよ。みんなで考えて、みんなで楽しむ場所なんだよ」と伝えてあげてください。先生がそのスタンスを貫くだけで、子供たちの安心感は劇的に変わります。
応援しています。一緒に良い授業を作っていきましょう!
【お知らせ】 このように、皆さんの現場のリアルな困りごとに合わせた「授業デザイン」や「一問一答」を随時募集しています。 一人で抱え込まず、こちらからお気軽にメッセージをお寄せください。 [▶︎相談窓口:一番下のコメントへ ↓]
私の書籍です。この本は決して素晴らしい体育実践のノウハウ本ではありません。体育も、学級経営も全くうまくいかなかった初任時代の物語。そこから学んだことが私の体育の原点です。ぜひ読んでもらえると嬉しいです!

それでは、また!
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