給食を食べるクラスは、いいクラス。昔からそう言われているよね。
給食ってただ楽しく食べればいいんじゃないの?給食指導って実際どうしたらいいのかな?
こんな人のための記事です。
昔は、「牛乳を飲むまで昼休みに入れない…」「配膳されたものは必ず食べきらないといけない!」「クラスとして食缶が空にならないとダメだ!頑張って食べろ!」といったことが当たり前にやられていましたよね。今はだいぶ給食指導も変わってきていますが、好き嫌いをして残飯が多いクラスは、子どもたちが好き放題やっていて落ち着かない傾向があるのは今も昔も変わらないようです。
この記事は、雄剛が普段行っている給食指導を通して、給食指導でもしっかり学級作りをしようというテーマでお送りします。
①給食は、みんなの成長のことを考えて作られている!減らしてもいいから、1口は食べること!
最近は、昔のように無理強いして苦手のものを食べさせたりしないようになってきているよね。でも、いろんなものが食べられるようにもなってほしいし…。どうしたらいいのかな?
まず、初めての給食の時間にこのことを確認します。「給食は、成長のことを考え、栄養を計算されて作られているもの。だからこそ、好きなものだけ食べて、嫌いなものは食べなくてよいという訳ではありません。苦手なものは減らしてもよいけれども、1口は食べようね。」
今の時代、昔のように無理強いして苦手なものでも食べさせることはできません。「うちの子が、給食時間が苦痛で学校に行きたくないって言ってるんです!そんなに苦手なものでも食べないといけないんですか?」保護者からそんなクレームがすぐ来てしまいますね。「苦手なものは食べなくてもいいよ…。」そうなると、どうしても子どもたちは「苦手なものは食べなくていいんだ!」「好きなものだけいっぱい食べて苦手なものは残してしまえ。」と自分に都合のいいように行動しますよね。こういうことがまかり通ると、給食以外の場面でも、自分の都合のいいように物事を判断し、好き放題始めてしまう…。こういうことの積み重ねが、クラスが落ち着かなくなる原因になります。そういう事態に陥らないためにも、「1口は食べようね」が大事になってきます。こうすることで、苦手なものでも1口なら頑張ろうとするし、必要な栄養も取れる。もしかしたら食わず嫌いなだけで、食べてみたらおいしいということもありますよね。給食でも、食指導だけでなく、子どもたちにとって安易に「自分に都合のいいように物事を判断してしまう」場面を作らないようにすることが学級作りにもつながります。
②最初に減らす。そして、おかわり。
おかわりのタイミングって、先生によってそれぞれ。最初におかわりしてしまう先生もいれば、食べ終わった人からしてもよいという先生もいます。それぞれ一長一短ありますが…。
雄剛のクラスでは、「いただきます」をした後、すぐに減らす人が来ます。(ほとんどいませんが…。)その後におかわりをします。そうすることで、減らしたい人は減らし、その分食べたい人はたくさん食べられる。そして、クラスとして食缶が空になる。コロナの時期にはできませんでしたが、コロナが5類になってからこのような形にしています。食缶が空になることを目指しているわけではありませんが、なぜか空になると達成感がありますよね。こういうちょっとしたクラスとしての達成感がクラスの団結力を高めてくれるように思います。
「食べ終わった人からおかわりしてもよい」というやり方にも一理あります。「好きなものだけいっぱい食べて苦手なものは残す」を防ぐため、そして、早く食べ終わった人からおかわりできることで時間内に食べ終わることができること。ただ、他の学級経営にも共通しますが、クラスのルール作りは前向きにしたいですよね。「マイナス面を封じるためのルール」ではなく、「前向きにクラスをよりよくするためのルール」を作っていきたいものです。そう考えた時に、雄剛なら今のやり方を選択します。
どちらがよいかは、自分が給食で何を大切にするか、どういう指導が自分に合うかを判断して決定しましょう!
③食事のマナーを守る。(立ち歩きや大声での会話はやめよう!)
子どもたちに最も確認したいことは、給食時間は休み時間ではないということ。もちろん、みんなで楽しみながら食事を楽しむことも給食時間の大切な側面。ただ、みんなで楽しむにはマナーも必要です。用事もないのに立ち歩いていったり、他の人が不快に思うような大声での会話したりするのはきちんと注意します。楽しい中にも、きちんと指導を入れるからこそ落ち着いたクラスになっていくのだと思います。
やはり「休み時間」と「やるべき時間(授業、給食、掃除など)」の切り替えを意識させることが落ち着いて活動できる学級作りの土台です。そこを意識させるのが、先生の役割ですよね。
④時間を意識する!
給食で時間って?何か関係あるの?
給食で時間を意識させることはとても大切です。給食で意識させる時間は2つあります。
1、給食準備から「いただきます」までの時間
2、給食を食べ終わるまでの時間
1、給食準備から「いただきます」までの時間
まずは、ゆっくり食事できる時間を確保するための食べ始めの時間を設定します。そうすると、何分で給食準備をすればよいかが見えてきます。だいたい10~15分くらいで準備することが多いように思います。みんなで協力すればこの時間で準備することができますが、落ち着かないクラスはこの時間では準備できず、ずるずると食べ始めが遅くなり、食べ終わりも遅くなり、掃除も遅くなり・・・と悪循環に入っていきます。
どうすれば時間内で準備できるようになるのかな?
食べ始めが遅くなる時には、「どうして食べ始めが遅くなってしまったのかな?」と子どもたちに問いかけてみましょう!
こういう「問いかけ」は、このケースだけでなく学級作り全体で使える技です。このケースでいうと、子どもたちからは「みんなの準備が遅いから。」「給食当番の取り掛かりが遅い!」「手洗いやトイレに行った後、そこでおしゃべりして戻ってこない人がいる!」などその時の課題が出されます。「じゃあ、それが解決できたら時間通りに食べ始められそうなんだね?明日はそこを意識してやってみよう。」と返します。次の日できたら、「やっぱりみんなの準備が早くなると時間通り食べ始められて、ゆっくり給食を楽しめるよね!明日からも時間を守っていこうね。」と褒めるし、もしできなかったら「なぜ時間通りできなかったんだろう?直すべきところはどこ?」とまた問いかけます。こういうやりとりを通して、時間通りに準備できる方法を自分たちで考えさせることによって、自分で行動できる子どもたちを育てていきます。
2、給食を食べ終わるまでの時間
時間内に食べ終わることができず、ずるずるとその後の時間に食い込んでいく…。悪循環です。
ここでも「どうしたら時間内に食べ終わるのかな?」と問いかけてみましょう!
子どもたちからは、「おしゃべりが多いから…。」「おかわりする量が多かった…。」「最初から食べられる量に調整すればよかった。」などが出てきます。「そしたら、それをやってみよう。」ということで、このやりとりを1,2回繰り返すと時間を意識できるようになります。
給食指導で学級作りのまとめ
それでは、まとめです。
給食指導は、1年の始まりが大切です。好き放題な状態が当たり前になってから、急に引き締めしたり、新たなルールで縛り付けようとすると子どもたちは反発します。先生と子どもたちで一緒にクラスを作っていこうという雰囲気の4月初めにやるからこそ意味があり、子どもたちにもすんなり受け入れられていきます。きちんとルール作りをして、学級作りに生かしていきましょう!
もし、既に先生として働いている方が読んでいたら、初任~3年目くらいの頃の失敗談や苦労した話、そして「こうしたらよかったな。」というご意見をコメント欄に書いていただけると、今まさにその状況にいる方たちの参考になります。ぜひお願いします。
それでは、また!
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