「朝の会」って何するの?~なんとなく朝の会からの脱却~【学級作り】

「朝の会」の時間って、必ず設定されているよね。周りの先生の様子を見ていると、なんとなく「朝の挨拶」「健康観察」「みんなから」「先生の話」っていう感じだから真似してやっているよ。

毎日「先生の話」があるけど、今日の予定を話すくらい…。何を話せばいいか分からないし…。意外と話がすぐ終わっちゃって時間が余ったり。

こんな人のための記事です。

「朝の会」って何気なくやってしまいがちですよね。他の人の「朝の会」を見る機会がないから比べることもできないし…。若い頃の雄剛もなんとなく自分の小学校の頃の朝の会を思い出しながら、何気なくやっていました。先生の話は、何も準備せずに臨み、なんとなく話して終了。でも、ベテランの先生方は違いました。朝の会を通して、しっかり学級作りをしていたんです。

雄剛先生
雄剛先生

「朝の会」の目的は何だろう?そして、そのために何を入れていったらいいんだろう?それを一緒に考えていきましょう!

『「朝の会」って何するの?~なんとなく朝の会からの脱却~』のまとめ

〇朝の会の目的は、何気ない一日を、特別な一日に変えるため!

〇朝の会の流れ(例)

 ①朝の挨拶 ②係から・みんなから ③健康観察・先生から

〇朝の会のアイディア

 ・朝マッチョ ・スピーチ ・歌 ・今日のミッション

朝の会の目的は、何気ない一日を、特別な一日に変えるため!

雄剛先生
雄剛先生

大きな行事の当日。それは、当然特別な一日ですよね。でも、それ以外は何もないただの一日?それはちょっと悲しいですよね。毎日が特別な一日で、「今日を大切に過ごそう!」と思える一日を積み重ねていけたら素敵ですよね!

私は毎朝、テレビでスライドショーを流しておきます。子どもたちが教室に入ったらまずそれを見て、今日がどんな日で、どんな一日にしていこうかを確認できるようにしておきます。

朝の会も、これをもとに話をしていきます。

朝の会の流れ(例)

①朝の挨拶 

②係から・みんなから 

③健康観察・先生から

今のクラスは、とてもシンプルです。なぜかというと、「②係から・みんなから」に時間をかけているから。私のクラスでは、係(ないと困る役割)と会社(あったら生活がより楽しく、より安心できる活動)があります。朝にみんなが楽しめるミニイベント(クイズやじゃんけん大会、お絵かきですよなど)をしようという活動があり、そこに5分ほど使用しているので、時間内に終わらせるためにも上記のようなシンプルな形にしています。

朝の会で話す内容は…?

学校・学年・学級の取組と関連させて…

雄剛先生
雄剛先生

どんな小さなイベントや行事でも、「それをやることにどんな価値があるのか?」「どういう姿勢で取り組んだらいいのか?」「どんな取り組み方をしたら、目的を達成できるのか?」を話すことが大切ですよね。これをしっかり話すことで、「よし!今日はこれを頑張ろう!」という気持ちを引き出せたら朝の会の話は100点満点です!

例えば、「あいさつ運動」が始まるなら…

T:「今日からあいさつ運動が始まるね。ちなみに、あいさつって必要かな?しなくても生きていけると思うんだけど…。」

C:「確かに、生きていけなくはない…。」

T:「じゃあ、みんなであいさつ禁止にしてみよう!」

C:「いやいやいや、そしたらさ!」

ちょっと極端な例でしたが…。「そしたらさ!」の後に出てくるのが、あいさつすることの意味、価値ですよね。それをみんなで共通認識としてもったうえで、「じゃあ、どんなあいさつをしたらいいのかな?」と続けていきます。こんなふうに、「なんとなくあいさつは大事だとわかってはいるけれど…」という子どもの意識をゆさぶり、今日からがんばることの価値を実感させることで「よし!やるぞ!」という意識を引き出していきます!

記念日や歳時記と関連させて…

調べてみると、実は毎日が何かしらの記念日なんです!季節に合わせた行事や事物に関する歳時記(例えば「大暑」「小寒」など)や有名人の誕生日なども合わせると何もない日ってないですよね。その中から選んで、自分たちの生活に関係させて話してあげると、何でもない一日が特別な一日に感じられるようになります。

例えば、4月20日が「穀雨」なら…

T:「今日は何の日か知っているかな?」

C:「○○君の誕生日?」「違うよ~!」

T:「今日は『穀雨』という日なんだよ。雨という字が入っているけれど、みんな雨って聞くとどんな感じ?」

C:「雨は嫌だ!濡れるし…。」「晴れの方がいいな。」

T:「『穀雨』というのは、種まきや田植えの時に降る雨のこと。これが降ってくれないと、植物は育たない…。普段嫌だなと思う雨も、植物を育てるためには必要なものなんだよ。みんな雨の他にも嫌だなぁと思うものってあるかもしれない。だけどね。ちょっと見方を変えると、それって大切なものだったりするんだよ。嫌だ嫌だと思って見たり、やったりするのではなく、いいところに目を向けられたらいいね。」

この話をした日には、この話にちなんで子どもたちが「めんどくさいなぁ…。」「ちょっと大変…。」と思うようなことがある時に、「でもこれを頑張ったら、こんないいことがあるんだよ!」と話してあげたいですね。

学級の良かったところや課題と関連させて…

雄剛先生
雄剛先生

毎日、「昨日頑張っていた人」コーナーを設けるようにしています。これは、「先生はみんなのいいところをちゃんと見ているよ!」というメッセージになります。それと同時に、よい行動をクラス全体に広げることにつながります!朝の会でも取り上げることで、そういうプラスの連鎖を生み出していきたいですね。

例えば、「同じです!」「付け足します!」「ぼくはちょっと違って…」と友達の考えをきちんと聞いて考え、発表している子たちがいたら…

T:「昨日、先生は素晴らしいなぁと思ったことがあったんだよ。何かわかるかな?」

C:「ちゃんと友達の話を聞いて考えている人がいる!」(朝からこの内容が書いてあるスライドを流しっぱなしなので、見ている子はすぐわかります。)

T:「そうなんだよ。友達の話が聞けるようになると、自分だけでは思いつかなかった考えが出てくる。『そういう考えもあるんだ!』『こう考えるのが当たり前だと思っていたけど、反対の考えの人もいるの!?』そうやっていろいろな人の考えを聞くのが、学校でみんなで勉強する意味なんだよ。そして、そこからまた考えたら、考えがどんどん深まって、広がっていくね。今日は、○○さんや○○さんのように、友達の考えを聞いて、考えてみよう!」

授業では、こういう行動がとれた時に、「いいね!ちゃんと友達の意見を聞けてるね!」「友達の意見から考えられていて素晴らしいね!」「いいね!そうやっていいものをすぐに取り入れる姿勢も素晴らしいね!」と価値付けていくとどんどんプラスの連鎖で広がっていきます。

朝の会のアイディア

その先生が、朝の会で何を大切にするかによって組み込む内容も変わってきます。ここでは、今までに自分がやったり、同僚から教えてもらったりした実践を紹介したいと思います。

朝マッチョ

朝マッチョ?

朝にみんなで体を動かします。例えば、「今日は、腕立て10回。」「今日は、腹筋10回。」他にも、スクワット、グーパーなどいろいろありますね。これくらいであれば、一瞬で終わります。体力の低下が問題になっているこういうご時世だからこそ、やってみるとおもしろいです。運動会の前には、足が速くなる体操をしてあげると、子どもたちも必死になって取り組みます。朝マッチョ係を作るのもおもしろいですよ。係の子が計画をし、「今日は、○○をやります!それでは準備してください!」と進めてくれます。

若い先生の中には、YOUTUBEの運動動画(曲を掛けながらいろんな動き・運動をする動画)を毎日やっている先生もいました。今どきの曲で、楽しく声を掛けてくれるものもあるし、3分程度でいい運動になります。眠そうにしていた子どもたちもここでスイッチが入り、元気に1時間目を迎えることができます。

スピーチ

定番ですね。よくやるのは、日直がスピーチをする形式。これをすることで、みんなの前で話す経験をさせる。そして、みんなの前で話すという負荷の中で、話す組み立てを考える力や何を話したらみんなが関心をもってくれるかを考える力が養われていきます。全員にスポットライトがあたる機会があることで「○○さんってこんなことに興味をもっているんだ!」「そんなことを考えていたんだ!」と仲間を知る機会になるのもいいですね。

スピーチは、発達段階によって時間やテーマを設定するとちょうどよい負荷がかかって、子どもたちの話す力を養うことにつながります。

【時間・長さ】2文スピーチ(①昨日あったこと②感想) ⇒ 1分間スピーチ

【テーマ】昨日の出来事 ⇒ 行事に向けて、または終えて ⇒ 最近のニュースについて

これも定番ですね。新型コロナウイルスの影響で歌えない時期があり、歌を取り入れないのが当たり前になっているのではないでしょうか。しかし、新型コロナウイルスの影響が落ち着いた今だからこそ、少しずつ復活させるのもありだと思います。歌を取り入れるとしたら、目的を明確にして何を歌うかを選択したいですね。

【子どもたちが選んだ好きな曲を歌う!】

朝から元気を出したい!前向きな気持ちにしていきたい!という目的であれば子どもに選ばせます。(または係を作って、その子たちに選曲させます。)「今月はこの歌!」「このクラスのテーマ曲はこれ!」「この行事のテーマ曲はこれ!」といろんなパターンで決めるのもおもしろいです。

【学校で決まった今月の歌を歌う!】

これはどちらかというと、「歌う力を高める」という意味合いが強いですね。作業になりがちなので、そうならない工夫が必要です。 

今日のミッション

日直に「今日のミッション」を考えさせます。ミッションはなんでもいいです。よく出てくるのは、「クラスで必ず一人一回は発表する!」「3回ありがとうを言う。」「ごみを1個拾う。」「掃除を一生懸命やる!」など。ちょっとしたゲーム感覚もあり、学年が下がるほど、面白がって取り組みます。朝の会では、「今日のミッションは○○です。がんばるぞ!おー!」とやると、すごく盛り上がります!そして、帰りの会で確認。全員の手が挙がるとなんとも言えない達成感とクラスとしての一体感があり、前向きな気持ちで一日を終えることができます。

雄剛先生
雄剛先生

私は、卒業前によくやります。卒業までのカウントダウンとミッションを組み合わせることで、卒業に向けた気持ちが高まっていくのでおすすめです。

『「朝の会」って何するの?』のまとめ

それでは、まとめです。

『「朝の会」って何するの?~なんとなく朝の会からの脱却~』のまとめ

〇朝の会の目的は、何気ない一日を、特別な一日に変えるため!

〇朝の会の流れ(例)

 ①朝の挨拶 ②係から・みんなから ③健康観察・先生から

〇朝の会のアイディア

 ・朝マッチョ ・スピーチ ・歌 ・今日のミッション

いかがだったでしょうか?私は、「何気ない一日を、特別な一日に変える!」を意識して、朝の会を行うようにしています。ただ、目的は先生によって違います。「とにかく明るい雰囲気を作りたい!」「前向きな雰囲気作りに!」「しっとりと考えさせる時間にしたい!」…。大切なことは、何が目的かではなく、朝の会に目的をもって取り組んでいるかということ。ぜひ、目的を再確認してみてください。

いろいろ詰め込みすぎて朝の会の時間がオーバーすることには気を付けましょう!朝の時間が5分オーバーすると、その分1時間目の学習する時間が5分短くなります。たった5分でも、1週間で25分。1か月で約100分。1年で約1000分。授業時数にすると23時間分つぶしたことになります。これは約1週間分ですよね。朝の会は、内容を精選して行いましょう!

それでは、また!

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