単元構成はなんとなくわかったけど、実際にどう1時間を作っていけばいいのかが分からないんだよね…。
短距離走だけで、1時間をもたせるのは難しそう…。
こんな人のための記事です。
3時間扱いで、タイムの伸びと自分の成長を感じられることを目指す『短距離走』の単元。ここからは、1時間ごとの詳細な内容を見ていきましょう!
今日は、1/3時間目にフォーカスします!
この1時間で達成したいこと!
始めのタイムを計測し、記録する!
今回の単元で、課題意識をもつための大切な指標になります。確実に記録をして、学習カードにも1回目の記録を位置付けていきます。
バネを生かした走り方を理解し、身に付ける!
今回の単元を通して、身に付けさせたい技能です。ここは、教えるべきところ!正しい動き、体の使い方を先生の指示のもと練習させます。
それでは、具体的な1時間の展開を見ていきましょう!
1時間の展開例
①準備運動
体育係を中心に準備運動。
③準備運動2(主運動につながる運動)
ちょっとずるいかもしれませんが…。単元の導入と終末でのタイムの伸びを実感させたいので、あまり導入のタイムがよすぎないようにしたいんです…。ということで、ここではあまり「走る」という主運動につながりすぎず、体力を高めながら身体を温める準備運動を選択します!
グラウンドサーキット
グラウンドの外側には遊具がいろいろありますよね!それをやりながらグラウンドを1周すると、身体も温まるし、全身を使った体つくり運動になります!
①鉄棒(逆上がり *できない人は前回り)
⇒ ②のぼり棒(てっぺんにタッチ! *できない人は10秒いもむし)
⇒ ③ジャングルジムのてっぺんにタッチ!
⇒ ④タイヤを馬跳び
グラウンドの広さにもよりますが、広めなら1周、狭めなら2周という感じで調整しましょう!
グラウンドこおり鬼
グラウンドということで広いので、調整を加えます。調整の加え方は…
・広さを制限する
・鬼の数を増やす
どちらかというと鬼の数を増やした方が、走る距離も長くなるし、動かない人が減るのでおすすめです。
③主運動Ⅰ(短距離走)
タイム計測!
タイムをとる時には、「同じくらいの速さか、自分より少し速い人と一緒がいいタイムが出るよ!」と言ってあげるといいですね!
見学者や体育係を上手に使うと、先生が一人しかいなくても十分にタイム計測ができます。
・スターター ・記録者
*ストップウォッチは、押すタイミングによって誤差が大きいので、確実に先生がやります。
④交流
*今回は、導入の1時間ということで、交流はなし!
交流は、交流するための土台がないと、ただの水掛け論になってしまいます。導入の1時間では、きちんと身に付けるべき技能を教え、2時間目以降からはそれを土台として、「できているかどうか?」「その技能を身に付けるためのコツ」について交流していきます!
⑤主運動Ⅱ(短距離走の技能を教える!)
技能のポイントは、「バネを使う(地面からの反発を使う)こと」!それができるための動きを練習していきます!下の動画を参考にさせてもらいながら練習を組んでみました。
①地面の反発を使うための膝の高さを習得する!
地面を強く叩いて反発をもらうためには、より高い所から地面を叩きにいく必要があります!
【膝を上げる!】
片足を上げて、10秒!終わったらもう一方!
*膝が腰よりも高くなるように!
*つま先が下を向かないようにして、足首を固定!
*膝はまっすぐ上げ、外側に開かないように!
*膝を上げるために、上体が後ろに倒れないように!
②地面の接地時間を短くし、反発をもらう動きを習得する!
ランニングとスプリントの違いは、地面との接地時間。今回目指しているバネを生かすスプリントでは、できるだけ接地時間を短くしていきます。
【片足ジャンプ】
①片足ずつ10回ジャンプ!
*手をバンザイにすると、上体が倒れすぎず、手の反動を使わないでできる!
*着地する足の膝を曲げると、地面からの反発を吸収してしまう!
②交互に!
(1)3回ずつ交互に行う。
*「(右足)1,2,3」「(左足)1,2,3」「(右足)1,2,3」…で交互に行う!
*「1」の瞬間に足を変える。変わったと同時に、もう一方の足は、膝よりも高い位置をキープできるように意識させる!
(2)2回ずつ交互に行う。
(3)1回ずつ交互に行う。
次は、ミニハードルを使うことで、進む力をプラスする。
【ミニハードルを使って】
①3回ずつでハードルを越える!
「(右足)1,2,3」、「1」の瞬間に足を入れ替え、ハードルを越える!これを交互に繰り返す。
②2回ずつ!
③1回ずつ!
*着地する足だけでなく、足を入れ替えた瞬間にもう一方の足が腰より高い位置にあることを意識させる!
【距離を長めに走る!】
始めの部分にはハードルを置き、足の動き方を意識させ、そのままの意識でその先を走らせます。
*地面の反発を推進力に変えていくために、「サイクリング(自転車をこぐイメージ)だよ!」と伝えます!
*意識させることは、前までの練習と同様、足を入れ替えた時にはもう一方の足が腰より高い位置にあること!
⑥整理運動
怪我や体調不良がいないかを確認します。
⑦振り返り
運動量は大切ですが、「思考・判断・表現」も大切にしていくために、必ず振り返りの時間を確保します。
今回は、「学びに向かう力」を見ていきたいので、「『これからの学習でどんなことを目標にするのか?』『そのために、どんなことを頑張ろうと思っているか?』について書けるといいね!」と各観点を示します。そうすると、書くのが苦手な子も、「それについて書けばいいのか…」と書き始めることができます!
評価について
今回は、1/3時間目ということで、「学びに向かう力、人間性」を中心にみていきます。
【観察】練習に取り組む態度、意欲
C…練習に参加できていない B…練習に参加している A…意欲的に練習に参加している
【学習カード】振り返り
C…これからの目標が書けない B…これからの目標や頑張ることが書けている
A…これからの目標や頑張ること、思いがより具体的に書けている
『陸上運動『短距離走』② 1/3時間目【6年4月】』のまとめ
それでは、まとめです。
いかがだったでしょうか?次の時間は、今回教えた技能をもとに、自分で試行錯誤したり、友達と見合ったりしながら走りを磨いていきます。どうしても、「走る」というと何を教えるのかが明確でなく、「もともとあの人は速いから…」「ぼくは遅いし…」となりがち。でも、教えるべき技能が明確にあると、子どもたちも「それができたら、速くなるんだ!」という希望をもって練習に取り組めますよね。次は、2/3時間目にフォーカスします!
もし「こんなやり方もあるよ!」「このやり方が効果的だった!」というアイデアがあれば是非教えてください。一緒に学んでいけたら嬉しいです!
それでは、また!
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