体育って評価に困るんだよな…。「技能」は、普段から評価できるんだけど、「思考・判断・表現」がどう評価していいものか…。目に見えるものではないし。
他の教科では、最後に振り返りを書いて、それをもとに次の時間を組み立てたりするけど、体育でもやった方がいいのかな?
こんな人のための記事です。
結論から言うと、体育でも振り返りをしっかりやるべきと考えています。体育なので、運動量をしっかり確保することは大前提。けれど、しっかり振り返りを書かせることは、たくさんのメリットを生み出してくれます。今回は、「体育の振り返り」のフォーカスして、見ていきましょう。
①体育で振り返りを書かせるメリット
子どもたちの思考を把握して、次の時間に生かせる!
これは、他の教科でも一緒ですよね。
〇子どもの課題意識はどこにあるんだろう?
〇どこに困り・つまずきがあるんだろう?
そこを把握することで、次の時間に子どもたちの課題意識を引き出しながら授業を展開することができます。また、困り・つまずきに対する手立てを事前に用意することもできますよね!
こわいのは、子どもの課題意識と先生がやらせたいことが乖離していること。ここがマッチしていないと、子どもたちが主体的に活動する姿が生まれてきませんよね!
「思考・判断・表現」の評価材料になる!
皆さんは、体育の「思考・判断・表現」はどう評価していますか?
・技能を身に付けるために自分に必要なことはなんだろう?
・どうしたらチームが勝つことができるんだろう?
・この技ができるためには、今の自分はどの段階で、どの練習が必要なんだろう?
こういう部分を評価しなければいけないのですが、体育の授業の中で見取りきることができるでしょうか?私は、授業の中で見える部分と見えない部分があるなというのが正直な気持ちです。
例えば…
【かかえ込み跳びをできるようにしよう!】
*かかえ込み跳びができるように、それぞれの段階に合った練習の場が設定され、子どもたちが選択して取り組めるようになっている。
ここでは、まず自分の段階に合った練習方法を選択できていれば「B」。もし、自分の段階を把握せず、「ただもっとレベルの高いところで練習したい!」「既に達成できているのに、ずっとその練習に留まっている…。」これは「C」かなと思います。(もちろん声掛けをして、子どもの認識と客観的に見た段階をすり合わせて調整した上で、それでも改善されなければ…。そうなってくると「主体的に学習に取り組む態度」も「C」ですね…。)
適切な練習方法を選択し、その上で「動画を活用して友達と分析し、教え合っている!」「友達と見合いながら、ポイントを共有し、できるように取り組んでいる!」となれば文句なしの「A」。
ここまでは、目に見える部分ですが、一人でとにかく一生懸命、何度も何度も取り組んでいる子はどうでしょうか?その子が、「ただなんとなく繰り返しているのか?」「ポイントを意識して、少しずつ調整しながら取り組んでいるのか?」は見えないですよね。一人一人聞いていけばいいのでしょうが、安全上一人だけにかかりきりになって、全体から目を離すこともできません。こういう目に見えない部分を見える化するのが、「振り返り」です。子どもの思考をしっかり記録していくことで、どう判断して評価したかを示すこともできますよね!
でも、ただ書かせるだけではうまく子どもたちの思考を引き出すことはできません。ここからは、どうやって書かせたら、子どもたちの思考が見える振り返りになるのかを見ていきましょう!
②振り返りの書かせ方
振り返りの書かせ方は、いろいろあります。
〇自由記述で振り返らせる
〇選択式にして、振り返らせる ・・・
これは、発達段階にもよると思いますが、私は「子どもたちの思考を把握したい!」という目的で振り返りを書かせるので、「自由記述で振り返らせる」を選択しています!
私のクラスでは、必ず学習カードを用意しています。一枚は、その単元で何を目標にし、どんなポイントがあるのかを示したもの。もう一枚は、振り返り用紙。
振り返りをただ書けと言われても、考える材料がなければ書けませんよね。だから、書くことに困っている子には、
「書くことに困ったら、学習カードを見ながら今の自分はどこまでできていて、どこができていないのか?次にどんなことを頑張ったらレベルアップできるのか?そこを考えてごらん!」
と声を掛けています。
③価値のある振り返りにするために!
毎回評価をして、目指すべき姿を示そう!
私は、毎回「A」「B」「C」で評価して、学習カードに書き込んでいます。そうすることで、自分の振り返りがきちんとできているのか、そうでないのかが明確になりますよね。
「A」だった子は、自分のできていること、できていないことが明確になっていて、次に何をがんばったらよいかをきちんと分析できている子。そういう部分に波線を引いて「A」を付けてあげることで、その取り組みが合っていることが分かりますね。
「B」だった子は、自分のできていること、できていないことは明確になっているけれど、次に何をがんばったらよいかが具体的になっていない子。「B」を付けて、「どうやったらできていないことができるようになるのかな?」とコメントします。そうすると、そこをもっと考えればいいんだと分かります。
「C」だった子は、「次はこの技ができるように頑張ります。」とそのために必要なことが思考できていない子。その子には「C」を付けて、「まずは、何ができて、何ができていないかを考えてみよう!」とコメントします。
こうやって、1時間1時間を積み上げていくことで、しっかり授業の中で考えたことを書けるようになっていきます。
振り返りをしっかり書けるようになると、それに応じて授業で試行錯誤しながら、工夫する力も高まっていきます!相乗効果ですね!
振り返りだけに頼らない…
忘れてはいけない視点は、文章力に差があるということ…
振り返りのみで、評価をしようとすると文章が得意な子が評価が高くなるという面も…
振り返りも、評価をする手立ての1つ。文章力に差があるという事実は頭に置いて、活用していかないといけないですね。
『【体育の授業作り】体育の振り返りをどうしよう?』のまとめ
それでは、まとめです。
いかがだったでしょうか?体育も振り返りが必要だと考えます。これはあくまでも私のやり方なので、ぜひ参考にしながら自分なりに最適な方法を見つけていってくださいね!
もし「こんなやり方もあるよ!」「このやり方が効果的だった!」というアイデアがあれば是非教えてください。一緒に学んでいけたら嬉しいです!
それでは、また!
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