始業式からの3日間は、「黄金の3日間」と呼ばれているのよ。この3日間が1年間の学級を決めると言っても過言ではないの!
なんで始まってすぐの3日間がそんなに大事なの?実際に何をすればいいんだろう?
こんな人のための記事です。
この記事は、「黄金の3日間で外してはいけないポイントは何か」というテーマでお送りします。
そもそも「黄金の3日間」って何?
「黄金の3日間」とは、始業式からの始めの3日間のことです。子どもたちは、1年間の始まりのこの3日間をいろんな思いで迎えています。「ぼくは進級したんだ!なんかわくわくするな!」「今年はこんなことを頑張りたいな!」「新しい先生はどんな先生なんだろう?優しいのかな?恐いのかな?」「新しいクラスでは、友だちとなじめるかな?」…。前向きな気持ちと様子見な気持ち、緊張が入り混じり、普段は手のかかる子でも比較的大人しく先生の言葉に耳を傾けてくれるのです。だからこそ、このチャンスを使って学級経営の土台を築こうというのが「黄金の3日間」の考え方です。
…ということは、「子どもたちが言うことを聞くうちに、先生の言うことは絶対!」という体制を整えるということ?
そこは勘違いしてはいけないよね。あくまでもクラスの主役は子どもたち。先生は、その力を引き出したり、安心して生活できる環境を作る手助けをするのが役割。「先生が王様だ!」では、自分たちで考えて行動する力が育たないね。
①先生と子どもでお互いの思いを知る!
先生の思いを知ってもらう!
始業式後の始めての学活で「先生がどんなクラスになってほしいのか。」「そのために大切にすることは何か。」「これだけは厳しく叱るということは何か。」について話します。
黄金の3日間では、とにかく大切にしたい4点を意識的に取り組んでいる子を徹底的に褒めていきます。そして、厳しく注意する3点については、有言実行で厳しく注意します。そうすることで、先生の考えを浸透させていきます。このことは、保護者にも学級通信を通して伝えていきます!
もちろん、チャンスの3日間なので、上に示したもの以外にも
〇話の聞き方
〇丁寧な取り組み
〇積極的な行動
〇思いやりのある行動 など
引き出したい行動はたくさん褒めていきます。そうすることで、引き出したい行動が全体に広まっていくと同時に、「もっと頑張って素敵な自分になりたい!」「頑張ると先生は認めてくれるんだ!」「新しいクラスでも自分の存在を認めてもらえた!」と前向きな雰囲気ができあがっていきます。
子どもの思いを知る!
子どもの思いを知る手立てとしては、「学級開きカード(準備万端で始業式を迎える3ステップ~ステップ②~ | 雄剛先生.com~ヤングYugoへのメッセージ~ (yugo-sensei.com))」、「自己紹介カード」で一人一人がもっている願いや思いを読み取っていきます。
もう1つは、学級目標とそれを実現する10か条をクラスで作っていく活動から、「クラスとして何を大切にしていきたいか」「どういうクラスにしていきたいのか」という願いを汲み取っていきます。
学級目標の作成だけで終わるのではなく、それを達成するための10か条まで作成すると、子どもたちの進みたい方向性が明確になってきます。
②子ども同士をつなげる!
クラス替えがあるとまだ人間関係ができていないため、子どもたちは不安です。楽しく関わるきっかけを作ってあげることで、緊張感を和らげ、安心できる雰囲気を作っていきます。
①リレー自己紹介
これは、5年生の国語の始めの方の教材でも出ていますよね。順番に名前を言っていきますが、自分の順番の前の人の名前も覚えて言っていくゲームです。「○○です。」「○○さんの隣の△△です。」「○○さんの隣の、△△さんの隣の、◆◆です。」覚えられなくなったら負け!楽しみながらお互いの名前を覚えられるのでおすすめです。
②お絵かきリレー
列対抗戦をします。テーマは、例えば「担任の先生(自分)の顔」。1列5人だったら、顔を5つのパーツに分けます。一人目は、「目」。二人目は、「鼻」。三人目は、「口」。四人目は、「輪郭と耳」。五人目は、「髪とまゆげ」。五人目までいったら発表会をします。「上手かどうか」だけではなく、「面白さNo.1」「イケメンNo.1」などいろいろなNo.1を決定してあげると盛り上がります。宿泊学習や修学旅行のバスレクでも盛り上がること間違いなし!
③グループしりとり
グループで相談して、代表の答えを出し、しりとりしていきます。グループの考える時間を「5秒」「3秒」など調整していくと、盛り上がります。「5,4,3,2,1、せーの」というカウントダウンにせかされて、夢中で相談すること間違いなし。ただし、盛り上がりすぎて周りのクラスに迷惑をかけてしまうかも…。
③1年間の土台となる仕組みを作る!
1年間の土台って大事そう!…でも、具体的にどんなこと?
1年間の土台とは何か。私は「1日をどう過ごしていけばよいか子どもたちが見通しをもっていて、自分たちで過ごせること」だと考えています。
1,朝教室に着いてから朝の会までの過ごし方
2,朝の会の進め方
3,日直の役割
4,休み時間の過ごし方、ルール
5,給食の準備のしかた、マナー
6,掃除の進め方
7、帰りの会の進め方
8、係を組織し、自分たちで生活できるようにする
以上の8点を、黄金の3日間で確認していきます。子どもたちが、「見通しをもって」生活できることが大切です。また、確認する時には先生が一方的に決めるのではなく、「どうする?」と子どもたちと決めていくことが大切です。先生がこれまでにやってきた馴染みの形式があるように、子どもたちにも前年度までに積み重ねてきた生活の形式があります。そこを汲みながら、すり合わせながらお互いが納得できる形を作っていきましょう。
始まりの3日間で外せないポイント【3選】のまとめ
それでは、まとめです。
1年間の初日から、いきなり1年間を左右する大きな山場がやってきます。このことを知って準備を完璧に整えていきましょう。ちなみに…。黄金の3日間は、特に1学期の始業式から3日間を差しますが、2学期、3学期も同様です。大きな区切りとして、2学期、3学期の始業期からの3日間も大切に過ごしていきましょう。(機会があれば、2学期、3学期の黄金の3日間についても記事にしたいと思います。)
もし、既に先生として働いている方が読んでいたら、初任~3年目くらいの頃の失敗談や苦労した話、そして「こうしたらよかったな。」というご意見をコメント欄に書いていただけると、今まさにその状況にいる方たちの参考になります。ぜひお願いします。
それでは、また!
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