陸上運動『ハードル走』①~単元をどう組もう?~【6年生10月】

前の単元では、球技でわいわい楽しめたなぁ。でも、次は陸上運動。体育が苦手な子のモチベーションが下がるんだよなぁ…。

ハードル走って、結局ハードルを出して走らせるだけ…。子どもたちも、1時間やっていると飽きてしまうし…。どう教えたらいいか分からないんだよなぁ…。

こんな人のための記事です。

陸上系の単元って、どうしても個人種目で、「運動が得意な子はやる気いっぱい!だけど、苦手な子はモチベーションが上がらないまま…」となりがちですよね。ハードル走は、50m走のタイムが速い子はそのまま速いし、遅い子はそのまま遅い…。その差が縮まることなく、「どうせ私なんて…」と離れてしまう子が出てきます。そういう子どもたちの意識を打破して、どうハードル走の楽しさを味あわせるか…。先生の腕の見せ所ですね。今回は、どう単元を組んだら、モチベーションを高くもってハードル走に取り組めるかを考えていきたいと思います。

「陸上運動『ハードル走』①~単元をどう組もう?~【6年生10月】」のまとめ

〇この単元で達成したいこと

 ・スピードを落とさず、リズムよく(3歩のリズム)走り抜くことができる!

 ・自分に合った目標タイムを設定し、意欲的に取り組むことができる!

〇陸上運動『ハードル走』の単元構成例(4時間扱い)

 2つの指標で自分の成長を実感できるような単元に!

〇それぞれに合った目標記録の設定方法

  目標記録=0.5×(身長−5×50m走のタイム+100)

この単元で達成したいこと!

学習指導要領では…

(1)知識及び技能

(1) 次の運動の楽しさや喜びを味わい,その行い方を理解するとともに,その技能を身に付けること。
イ ハードル走では,ハードルをリズミカルに走り越えること。

(2)思考力、判断力、表現等

(2) 自己の能力に適した課題の解決の仕方,競争や記録への挑戦の仕方を工夫するとともに,自己や仲間の考えたことを他者に伝えること。

(3)学びに向かう力、人間性等

(3) 運動に積極的に取り組み,約束を守り助け合って運動をしたり,勝敗を受け入れたり,仲間の考えや取組を認めたり,場や用具の安全に気を配ったりすること。

【体育編】小学校学習指導要領

これを踏まえて、

 〇スピードを落とさず、リズムよく(3歩のリズム)走り抜くことができる!

 〇自分に合った目標タイムを設定し、意欲的に取り組むことができる!

この2つが達成できるできるように単元を構成していきます。

雄剛
雄剛

それでは、具体的にどんな単元構成にしていくかを見ていきましょう!

陸上運動『ハードル走』の単元構成例(4時間扱い)

雄剛
雄剛

おおまかな流れは、1回目と3回目(最終)にタイムをとって、その伸びを確かめるという流れです!これによって、自分の成長を確かめていきます!

【1時間目】

第一回目のタイム計測!

そして、ハードリングの基本の指導。

【2・3時間目】

走り方の練習。

子どもたち同士でお互いに走りを分析し、教え合う活動。

【4時間目】

最後のタイム計測。

1時間目と比較して、自分の成長を確かめます。

雄剛
雄剛

今回は、2つの指標で自分の成長を実感できるような単元にしていきます。

①自分の走力にあった目標記録の設定!

②1回目の記録との比較!

それぞれに合った目標記録の設定の仕方

「それぞれに合った」…と言ってもなぁ。どうすればいいんだろう?

私は、以下の計算式を使います。

目標記録 = 50m走の記録 + 1.5秒

 *1.5秒は、ハードル一台につき、0.3秒のロスタイムで計算します。ここでは5台なので1.5秒。

これを使うと、自分の走力に合った目安ができます。走り高跳びの時と同じように、目標記録に対して、どこまで近づけたか、または越えたかを点数化するのもモチベーションアップにつながります。

雄剛
雄剛

目標記録が高すぎると、逆にモチベーションが下がる原因に…。ある程度で、クリアできて、さらに上を目指せるくらい…と考えると、上の計算式がちょうどいいのかなと思っています。

計算式は他にも…

目標記録 =50m走の記録 × 0.8 + ハードルの台数 × 0.25~0.3

いろんな計算式があります。いろいろと試してみて、最も適度なものを選択できるといいですね。

「陸上運動『ハードル走』①~単元をどう組もう?~【6年生10月】」のまとめ

それでは、まとめです。

「陸上運動『ハードル走』①~単元をどう組もう?~【6年生10月】」のまとめ

〇この単元で達成したいこと

 ・スピードを落とさず、リズムよく(3歩のリズム)走り抜くことができる!

 ・自分に合った目標タイムを設定し、意欲的に取り組むことができる!

〇陸上運動『ハードル走』の単元構成例(4時間扱い)

 2つの指標で自分の成長を実感できるような単元に!

〇それぞれに合った目標記録の設定方法

  目標記録=0.5×(身長−5×50m走のタイム+100)

いかがだったでしょうか?他人と記録を比較するのではなく、自分の走力と記録を比較するようにすることで、モチベーションを維持して「もっとできるようになりたい!」という意欲を引き出すことができます。そういうモチベーションを土台として、仲間と教え合い、高め合える単元にしていきたいですね!

今後、この単元構成を実現していくための、1時間ごとの詳細な流れ、そして効果的な関わりや声掛けの仕方などを書いていきます。

もし陸上運動『ハードル走』の指導で「こんなやり方もあるよ!」「このやり方が効果的だった!」というアイデアがあれば是非教えてください。一緒に学んでいけたら嬉しいです!

この記事を読んでくださった方で、「指導案がほしいな!」「資料がほしいな!」と興味をもってくださった方はぜひコメントをください!私の実践でよければ、校内研や研究会で実践した指導案やそれに関わる資料を差し上げます。また、体育の研究授業や日常の体育でお困りのことがあれば、質問・相談、大歓迎です。体育の話は大好きなので、いつでもコメント欄へどうぞ!

それでは、また!

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