暑くなってきたなぁ…。いよいよプールの時期だ!今年は、学年の中で持ち回りで指導することになったんだけど、今までは学年の先生に任せきり…。どうしたらいいのかな?
今年は、水泳学習を学年の中心になって進める役割になっちゃった…。どうやって水泳の単元を組んでいけば、子どもたちが泳げるようになるのかな?
こんな人のための記事です。
地域によっては、6月下旬ころからプール掃除をして、「さあ、いよいよプール学習だ!」という学校が多いのではないでしょうか?最近、プール学習での痛ましい事故もあって、安全の確保もとても重要な課題の1つになっています。安全を確保しつつ、子どもたちが泳げるようになる学習にするためにどうすればよいか…?それを、一緒に考えていきましょう!
この単元で達成したいこと!
学習指導要領では…
(1)知識及び技能
(1) 次の運動の楽しさや喜びを味わい,その行い方を理解するとともに,その技能を身に付けること。
ア クロールでは,手や足の動きに呼吸を合わせて続けて長く泳ぐこと。
イ 平泳ぎでは,手や足の動きに呼吸を合わせて続けて長く泳ぐこと。
ウ 安全確保につながる運動では,背浮きや浮き沈みをしながら続けて長く浮くこと。
ア クロール
クロールでは,その行い方を理解するとともに,左右の手を入れ替える動きに呼吸を合わせて,続けて長く泳ぐこと。
[例示]
○ 25~50m程度を目安にしたクロール
・ 手を左右交互に前方に伸ばして水に入れ,水を大きくかくこと。
・ 柔らかく足を交互に曲げたり伸ばしたりして,リズミカルなばた足をすること。
・ 肩のローリングを用い,体を左右に傾けながら顔を横に上げて呼吸をすること。
○ ゆったりとしたクロール
・ 1ストロークで進む距離が伸びるように,頭の上方で両手を揃えた姿勢で,片手ずつ大きく水をかくこと。
・ 1ストロークで進む距離が伸びるように,ゆっくりと動かすばた足をすること。
・ 呼吸する側の手をかく動きに合わせて,呼吸をすること。イ 平泳ぎ
平泳ぎでは,その行い方を理解するとともに,手の動きに合わせて呼吸し,キックの後には息を止めてしばらく伸びて,続けて長く泳ぐことができるよう
にする。ウ 安全確保につながる運動
背浮きや浮き沈みをしながら,タイミングよく呼吸をしたり,手や足を動かしたりして,続けて長く浮くことができるようにする。(2)思考力、判断力、表現等
(2) 自己の能力に適した課題の解決の仕方や記録への挑戦の仕方を工夫するとともに,自己や仲間の考えたことを他者に伝えること。
(3)学びに向かう力、人間性等
(3) 運動に積極的に取り組み,約束を守り助け合って運動をしたり,仲間の考えや取組を認めたり,水泳運動の心得を守って安全に気を配ったりすること。
【体育編】小学校学習指導要領
これを踏まえて、
〇ゆったりとしたクロールで、続けて長く泳げる技能を身に付けること!
〇自分やバディの泳ぎ方を分析し、動きを調整したり、教え合ったりできること!
〇水の危険性を知り、ルールを守って学習したり、命を守る方法を知ったりすること!
この3つが達成できるできるように単元を構成していきます。
それでは、具体的にどんな単元構成にしていくかを見ていきましょう!
『水泳』の単元構成例(8時間扱い)
おおまかな流れは、1回目と最後の4回目に泳力調査を実施。2~3回目でしっかりと練習をして、4回目に成長を実感できるようにするという流れです!
【1・2時間目】
第一回目の泳力調査!
そして、クロールで長く泳ぎ続けるための泳ぎ方の技術を確認していきます。
【3~6時間目】
クロールで長く泳ぎ続けるための泳ぎ方を練習する。
子どもたち同士でどうしたら泳げる距離が伸びるかを分析し、練習する。
【7・8時間目】
最後の泳力調査。
1時間目と比較して、自分の成長を確かめます。
ここでしっかりと自分の成長を感じられるようにしたいですね。そのためには、3~6時間目の練習場面で、何を、どう練習するのかがとても大切になってきます!
(中心技能)ゆったりとしたクロールで、長く泳ぎ続けられる!
やっぱり、水泳といえばクロールで25mを泳ぎ切れるというのが1つのゴールになると思うんだけど…。それを達成するためには、何を中心技能として教えてあげたらいいのかな?
私は、最初の水泳の授業で話す内容があります!
「これから、水泳学習が始まるよ!みんなの中で、25m歩けない人はいる?いないよね。でも、25m泳ぎ切れる人は?と聞いたら、一気に少なくなる…。その大きな原因になるのは、水の中だから息が苦しい…ということだね。逆を言えば、息が苦しくなければ問題ないということ!どうやって息が苦しくならないように泳げるかを、水泳学習で学習していこうね!」
大きな推進力を生み出すのは、バタ足より腕のかき!
多くの場合、まずはビート板を使ったバタ足から練習しますよね。でも、私は、バタ足をあまり教えません。バタ足を頑張ると、手の回転が速くなり、息継ぎの難易度が格段に上がります。
大きな推進力を生みだすのは、腕のかき!そこに集中させ、ゆったり、大きく動かすことを意識させることで、息継ぎをゆったり行う余裕を作ります。
【腕のかきのポイント】
①動きは、ゆったり!
②頭の上の遠いところから、お腹の下を通って、最後までかききる!
「腕のかき」から教えるか、「バタ足」から教えるか…。そこは、意見が分かれるところだと思います。私は、「腕のかき」から教える方が有効と考えるため、今回はその方法を紹介したいと思います!
ボビングが10回できる!
「パッ!」は秘密の言葉!「パッ!」は破裂音なので、息が出ると同時に入ってくる!そうすることで、口に水が入らずに空気を吸うことができる秘密の言葉なんです!この言葉で呼吸することを教えていきます。
実際の泳ぎのテンポに合わせて、段階的に練習していきます。
①(陸上で)長座で息継ぎの練習!
最終的に、息継ぎのタイミングは、腕のかきと連動させて、「1,2,3、パッ」で行っていきます。だから、息継ぎの練習をするときには、ホイッスルで「ピッ、ピッ、ピッー、パッ!」というタイミングで行っていきます!
長座で下を向く。(ホイッスル「ピッ、ピッ、ピッー」)「パッ!」のタイミングで上を向いて「パッ!」。これを10回繰り返します。陸上で行うので、焦る必要がありません。ここで、タイミングと「パッ!」という練習をします。
②(水中で)ボビング10回!
ホイッスル「ピッ、ピッ、ピッー」で水中でしゃがむ。「パッ!」で水上に顔を出す!
「『水泳』①~単元をどう組もう?~【6年7月】」のまとめ
それでは、まとめです。
いかがだったでしょうか?次回からは、この単元構成を実現していくための、1時間ごとの詳細な流れ、そして効果的な関わりや声掛けの仕方などを書いていきます。
もし『水泳』の指導で「こんなやり方もあるよ!」「このやり方が効果的だった!」というアイデアがあれば是非教えてください。一緒に学んでいけたら嬉しいです!
それでは、また!
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