体育って教科書がないからどうやっていいのかわからないんだよな…?
子どもたちは、みんな体育を楽しみにしているんだけど…。1時間をどう使っていいか分からなくて…。時間が余って、ドッジボールして終わったりしてしまうです…。
こんな人のための記事です。
体育って、子どもたちが楽しみにしている教科です。だって、体を動かしてみんなでわいわい楽しめる勉強だから!でも、先生の側からすると「どうやったらいいか分からない…。」「ただ楽しいだけで終わってしまって学びがない…。」など悩みが多かったり、苦手意識がある方が多いようです。そんな方のために、体育の1時間1時間でどんなことを意識し、どんな展開にしていくかを紹介していきます。今回は、年度初めの1時間にフォーカスします!
この1時間で達成したいこと!
授業開きは、各教科でやりますよね。体育も一緒です。子どもたちのわくわくが高まるような1時間にしていきたいですね!
子どもたちが「体育って楽しい!」と思える!
体育って好きな子が多い一方で、「運動が苦手だからあんまり好きじゃないんだよね…。」という子もいますよね。そんな子たちにも楽しめるような内容にしていきます。
授業のルールやマナーが分かる!
体育は、楽しいもの。でも、ルールやマナーを守らないともめごとになったり、活動時間が減ったり、楽しくなくなっていきます。さらには、危険につながることも…。最初の1時間だからこそ、楽しみながら徹底していきたいですね!
体育は、体を動かすだけでなく、考えることも大切!
体育の評価には、「知識・技能」だけでなく「思考・判断・表現」と「主体的に学習に取り組む態度」の3つがあります。どうしても運動が得意な子たちの中には、「運動が上手にできればいいんだろ!」と思っている子も…。それから苦手な子たちは、「運動が苦手だから体育は嫌い…」。それを打破するために、考える場面「思考・判断・表現」を入れていきます。考えることで、楽しくなる経験を入れることで、新たな楽しさを感じさせていきたいですね。また、自分たちで楽しめるルールを作る場面を入れていきます。これによって、運動が得意な子も、苦手な子も、お互いが楽しめるようにするためにはどうすればよいか…?みんなで考えながら作り上げていくそんな民主的な授業作り、学級作りの土台を作っていきます。
始めの1時間は、指示が通りやすいように体育館が最適です。それでは、実際にどんな1時間にしていくかを見ていきましょう!
1時間の展開例
①準備運動(ここではわかりやすく準備体操とします。)
私は、体育係を作って、その子たちを中心に準備体操をさせます。
準備運動の方法としては、音楽をかけながら先生主導で主運動に関連する運動を取り入れながらやる方法もあって、体育の研究授業や研究会ではよくやられています。
私の目的の1つは、「体育を通して自治的なクラスを作っていきたい!」ということ。それを考えた時に、体育係を中心に自分たちで活動を進められる方法を選択しています。
③準備運動2(主運動につながる運動)
今回は、主運動(例えば跳び箱、鉄棒、サッカーなどその時間に中心に行う運動)というものはありませんが、今後定期的に取り組む活動を経験させていきます。
【音楽縄跳び】
音楽をかけて縄跳びを跳びます。縄跳びは体力作り、感覚作り、跳躍力の向上…など多くの効果を期待できます。多くの学校で、縄跳びカードを活用したりしながら取り組んでいますよね。普段から少しずつ取り組んでいくことで、徐々にできる技を増やしていきます。
用意するものは、曲とデジタルタイマー。デジタルタイマーはプログラムタイマーで30秒ー10秒を6セットに設定します。あとは、曲をかけて、タイマーを開始!30秒のところで前跳びをして、10秒休む。次は後ろ跳びをして10秒休む。こうすると、曲を目安にテンポよく跳ぶ感覚が付くとともに、30秒という限られた時間跳べる子はどんどん跳ぶ、引っかかっても何度もやり直す…。得意な子も苦手な子も集中して跳ぶことができます!
【二人組じゃんけんで動き作り】
二人組を作ってじゃんけんをします。例えば、「勝った人は馬跳び3回!終わったらまたじゃんけんするよ!先生が笛を鳴らすまで続けよう!」。じゃんけんを入れるだけで、単調な動きでも子どもたちは集中力が続きます。
ここで、体育のルールを徹底します!笛が1回鳴ったら、その場でストップ!先生を見るよ!2回鳴ったら、先生の周りに集合!笛を使い分け、素早くできた子を思い切り褒めることで徹底していきます!
②主運動(体つくりの運動)
Ⅰ.全員敵のドッジボール(天下、かたき)
その地域によって呼び方が違いますが、全員敵のドッジボールをします。これは、ドッジボールですが、コートもチームもありません。文字通り全員敵。当てられた人は、ステージの上へ。自分を当てた人が当てられたら復活するというルールです。
ここでのポイントは、ルールをみんなで作る経験をすること!5分くらいしたら、一度みんなを集めます。そして「やってみてどうだった?困ったことがある人はいるかな?」と聞いてみます。そうすると、「ずっとボールをもっている人がいてボールが回って来なかった…。」「ボールを何個も持つのはあり?」といろいろ出てきます。「どんなルールにしたら、みんなが楽しめると思う?」1つ1つみんなでルールを決めていきます。そして、「こうやって、みんなが楽しめるようにルールを考えることも、体育の学習の1つなんだよ。」と伝えていきます!
Ⅱ.毒蛇
学年でも、体育館半分くらいで十分!増やし鬼の変形版ですね。鬼は、毒蛇(床にうつ伏せ状態)になります。鬼以外は、タッチされないように逃げ回ります!タッチされた人は毒蛇になります。
ここでのポイントは、途中に「毒蛇タイム(鬼の作戦タイム)」を取ること。「横一列になって一網打尽作戦だ!」「端に追い込めば捕まえられそうだよ!」自然と話し合いが生まれます!運動が得意な子も苦手な子も作戦を立てることで楽しむことを経験できます!
Ⅲ.コーンリレー
子どもたちが大好きなリレー。これを応用していきます。チームは6~8人くらいで1チーム。
【1回目】単純に向かい側の壁にタッチして戻ってきたら次の人に交代!最後の人が戻ってきたら座る。
【2回目】コーンを1個壁までの間に置きます。置く場所はグループごとに決めてOK。コーンは1周してから通り過ぎます。
【3回目】コーンを2個に増やす。どこに置くかで順位が変わってきます!
コーンをどこに置くかで順位が変わってくるんですね!チームの作戦次第で、足の速さでは負けても、勝負には勝てる!
④整理運動
軽く体操をして、最後に語ります。
今日は、いろんなことを学習したね!体育はね。運動が得意な子だけが活躍するものではないよ!苦手な人も、作戦を考えたり、みんなが楽しめるルールにしたりすることで活躍できる!そんな楽しさもあるんだよ!これから運動が得意な人も、苦手な人も一緒に楽しめる体育にしていこう!
体育を学級作りに!
私は常々思うのですが、体育には学級の状態が現れます。球技なんかをすると、素の状態が出ますよね。球技をしたときに、失敗を責め合うクラスは、教室でもそう。失敗を補い合うクラスは、教室でもそう。ルールを守らず、勝手なことをしてケンカするクラスは、教室でもそう。逆を考えると、体育でしっかりルールを守り、助け合う関係を作れたら、クラスもそうなるということ!体育を通して、学級作りに生かしていきたいですね!
『【年度初め】体育の授業始めをどうしよう?』のまとめ
それでは、まとめです。
いかがだったでしょうか?体育もある程度の型があります。その時間でやるべきこと、身に付けさせたい力を明確にし、そのための手立てを型にはめていくことで1時間の流れができていきます。今後、少しずついろんな単元での1時間ずつの授業を提案していきたいと考えています。もし「こんなやり方もあるよ!」「このやり方が効果的だった!」というアイデアがあれば是非教えてください。一緒に学んでいけたら嬉しいです!
それでは、また!
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