陸上運動『走り高跳び』①~単元をどう組もう?~【6年生9月】

「走り高跳び」って、高跳び用の支柱とバーが学校に1セットか2セットしかなくて、なんだか待ち時間が多くなってしまうんだよな…。

なんだか脚力がある子、身長が高い子はどんどん跳べるし、そうでない子は跳べないまま…。高く跳べる子だけが楽しそうにしている印象なんだけど…

こんな人のための記事です。

「走り高跳び」に限らず、陸上系って「もともと足が速い人は速いし、そうでない人は遅い…。もともと高く跳べる人は跳べるし、そうでない人は跳べない…。だったら、あんまり体育でやる意味がないんじゃない?」となってしまいがち。これは、今もっている力を全て無視して、記録だけで比較するからですよね。

身長の高い人が120cmを跳ぶのと、身長の低い人が120cmを跳ぶのって価値は同じでしょうか?

運動が苦手な子が、最初30cmしか跳べなかったのに70cm跳べるようになることって、記録が平凡だから価値はないのでしょうか?

私は、それぞれの今もっている力に応じた目標記録を設定し、それに向けて頑張る単元を作ることによって、苦手な子でも自分の成長に気付き、成長する楽しさを知り、もっとチャレンジしてみたいと意欲的に活動する陸上の授業は可能だと考えています!

「陸上運動『走り高跳び』①~単元をどう組もう?~【6年生9月】』のまとめ

〇この単元で達成したいこと

 ・リズミカルな助走から力強く踏み切る技能を身に付けること!

 ・自分に合った目標記録を設定し、それに向けて動きを分析し、練習方法を工夫すること!

 ・仲間と協力し、教え合うこと!

〇陸上運動『走り高跳び』の単元構成例(5時間扱い)

 自分の記録が、目標記録に対してどれくらいかを点数化し、チームで得点を競い合う単元に!

〇それぞれに合った目標記録の設定方法

  目標記録=0.5×(身長−5×50m走のタイム+100)

この単元で達成したいこと!

学習指導要領では…

(1)知識及び技能

(1) 次の運動の楽しさや喜びを味わい,その行い方を理解するとともに,その技能を身に付けること。
エ 走り高跳びでは,リズミカルな助走から踏み切って跳ぶこと。

(2)思考力、判断力、表現等

(2) 自己の能力に適した課題の解決の仕方,競争や記録への挑戦の仕方を工夫するとともに,自己や仲間の考えたことを他者に伝えること。

(3)学びに向かう力、人間性等

(3) 運動に積極的に取り組み,約束を守り助け合って運動をしたり,勝敗を受け入れたり,仲間の考えや取組を認めたり,場や用具の安全に気を配ったりすること。

【体育編】小学校学習指導要領

これを踏まえて、

〇リズミカルな助走から力強く踏み切る技能を身に付けること!

〇自分に合った目標記録を設定し、それに向けて動きを分析し、練習方法を工夫すること!

〇仲間と協力し、教え合うこと!

この3つが達成できるできるように単元を構成していきます。

雄剛
雄剛

それでは、具体的にどんな単元構成にしていくかを見ていきましょう!

陸上運動『走り高跳び』単元構成例(5時間扱い)

雄剛
雄剛

ここでは、「チーム戦」を取り入れます!チームで得点化した点数を合計して、他のチームと競う!そうすることで、「個人種目で、苦手な子のモチベーションが上がらない…」となりがちな走り高跳びを、チームで教え合う必要感があり、苦手でもチームのために頑張ろうと思えるものに変えていきます!

【1時間目】

オリエンテーション!

 〇目標記録の設定

 〇第一回目の記録計測!

【2~4時間目】

チーム戦を体験!

 その中で、どうしたらもっと記録が上がるのかを考え、自分に合った練習方法を選択する!

【5時間目】

最後の記録計測。

 1時間目と比較して、自分の成長を確かめます。

雄剛
雄剛

5時間目は、全員が正式なバーで記録計測をすることで、モチベーションがアップしますね!

それぞれに合った目標記録の設定の仕方

「それぞれに合った」…と言ってもなぁ。どうすればいいんだろう?

私は、以下の計算式を使います。

目標記録=0.5×(身長−5×50m走のタイム+100)

これを使うと、身長と脚力でそれぞれ「この位の高さを跳べるだけの力がある…」という目安ができます。感覚的には、少し低めの目標設定になるなぁと感じています。ただ、上に出てきた学習カードを見て頂くと分かる通り、目標記録を越した後も、越した分だけ点数になるようにしてあります。こうすることで、「さらに跳びたい!」というモチベーションは保つことができます。

雄剛
雄剛

目標記録が高すぎると、逆にモチベーションが下がる原因に…。ある程度で、クリアできて、さらに上を目指せるくらい…と考えると、上の計算式がちょうどいいのかなと思っています。

計算式は他にも…

目標記録=120+0.5×身長−10×50m走のタイム

いろんな計算式があります。いろいろと試してみて、最も適度なものを選択できるといいですね。

「陸上運動『走り高跳び』①~単元をどう組もう?~【6年生9月】』のまとめ

それでは、まとめです。

「陸上運動『走り高跳び』①~単元をどう組もう?~【6年生9月】』のまとめ

〇この単元で達成したいこと

 ・リズミカルな助走から力強く踏み切る技能を身に付けること!

 ・自分に合った目標記録を設定し、それに向けて動きを分析し、練習方法を工夫すること!

 ・仲間と協力し、教え合うこと!

〇陸上運動『走り高跳び』の単元構成例(5時間扱い)

 自分の記録が、目標記録に対してどれくらいかを点数化し、チームで得点を競い合う単元に!

〇それぞれに合った目標記録の設定方法

  目標記録=0.5×(身長−5×50m走のタイム+100)

いかがだったでしょうか?どうしても、陸上って、個人の取り組みで、苦手な子は意欲的になれないまま時が過ぎていく…という授業になりがち。そんな状況を打破するべく、「それぞれに合った目標記録の設定」、そして「記録を点数化したチーム戦」を導入しました。何度か実践していますが、ただ跳ばせ続ける走り高跳びよりも、子どもたちの教え合いが生まれ、モチベーション高く活動できている様子が見られます。

今後、この単元構成を実現していくための、1時間ごとの詳細な流れ、そして効果的な関わりや声掛けの仕方などを書いていきます。

もし陸上運動『走り高跳び』の指導で「こんなやり方もあるよ!」「このやり方が効果的だった!」というアイデアがあれば是非教えてください。一緒に学んでいけたら嬉しいです!

それでは、また!

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