単元構成はなんとなくわかった。でも、1回ずつの時間を、どう組み立てていけばいいかが見えてこないんだよな…。
最初から能力別に分けて、ずっと泳がせているだけでは飽きてしまうし…。
こんな人のための記事です。
8時間扱いで、1回目と最後の4回目に泳力調査を実施し、その記録の伸びと成長を実感できることを目指す『水泳』の単元。ここからは、1時間ごとの詳細な内容を見ていきましょう!
今日は、1-2/8時間目にフォーカスします!
この1時間で達成したいこと!
初めの泳げる距離を計測し、記録する!
今回の単元で、課題意識をもつための大切な指標になります。確実に記録をして、学習カードにも1回目の記録を位置付けていきます。
クロールでゆったり、長く泳ぐ方法を理解する!
今回の単元を通して、身に付けさせたい技能です。ここは、教えるべきところ!「正しい腕の使い方」や「息継ぎの仕方・タイミング」「練習方法」を先生の指示のもと練習させます。
それでは、具体的な1時間の展開を見ていきましょう!
1時間の展開例
プールでの並びは、始めの準備運動でバディを活用するので、こんな並び方を採用しています。この場合は2クラスですが、4クラスでもこの並びで実施可能です。
⓪プール学習を始める前に…
「水泳学習を始める前に、大切なことを話すね。水泳学習は、安全にやればとても楽しいものだけど、ルールを守らないと思わぬ事故にもつながります。何年かに一度、プールで溺れたり、首の骨が折れて下半身不随になったり痛ましい事故があります。そうならないためにも、ルールを守って、安全に、楽しい学習にしてこうね!これからみんなに守ってほしいことを言います!
【ルールの確認】
①先生の話をよく聞く!
*ホイッスル(1回…その場で話を聞く 2回…バディを確認! 3回…プールから上がる)
②危ないことをしない!
*友達を押す、飛び込む、プールサイドを走る、溺れたふりをする…
③調子が悪くなったら、すぐに先生に知らせる!
私は、プールの時には、「レッドカード」「イエローカード」「グリーンカード」を用意しています。プールを安全に実施するためには、ルールの徹底が欠かせないので、カードで意識させるようにしています!
①準備運動
体育係を中心に準備運動。
②シャワーを浴びる
プールサイドを一方通行で回るようにします。
「重なる部分をよくこすろうね!」と声を掛けます。首、脇、膝の裏…汗のたまりやすい場所をきれいにしていきます。
③準備運動2(主運動につながる運動)
1.プールサイドに座って
バディのうち、プール側に並んでいる人から準備運動をしていきます。
プールサイドに座って…
①バタ足(50回) ⇒ 足首を伸ばすことを意識してバタ足(50回)
②自分の胸に水をかける
③隣の人に水をかける
「ゆっくり水に入るよ!水に入ったら二本目の線(コースの線)まで行こう!それではバディの2番目の人。お待たせしました。プールサイドに座りましょう!」
④プールサイドに座った人がバタ足
*「プールの中の人にかかるようにやってごらん!」というと効果的。
⑤プールの中の人が、プールサイドの人に水をかける
⑥入水し、一本目の線へ。
2,バディを使って水慣れ
①じゃんけんで水かけ
じゃんけんで勝った人は、負けた人に3回水をかける。終わったら、またじゃんけんの繰り返し。
(負けた人は「お地蔵さんで」「後ろに手を組んで」として水への抵抗を減らす)
②じゃんけんでまたくぐり
じゃんけんで勝った人は、足を開く。負けた人は、足の間をくぐる。またじゃんけんの繰り返し。
③じゃんけんで逆立ち
じゃんけんで負けた人は、逆立ち。できるかな?挑戦してみよう!
④じゃんけんで一回転
じゃんけんで負けた人は、水中で一回転。できるかな?
3,流れるプール
「それでは、背中を近くの壁につけましょう。みんな時計回りに回っていくよ!その時に、壁に沿って歩こうね。みんなで歩いた方が、いい流れができるから、『泳いでいいよ』って言うまでは、歩くよ!それではいってみよう!」
流れができたら、逆回り!それを2回ほどしたら、「流れていいよー!」と声を掛けます。これだけで、いい運動量になります。
4,基礎技能の習得
①沈む
*バディで手をつないで「沈む」活動をすると、苦手な子にとっても安心感があるとともに、やらざるを得ない状況になります!
「10秒沈んでみよう!」⇒「お尻を付けて沈んでみよう!」⇒「胸を付けて沈めるかな?」
ここでは、呼吸に注目させます。
「浮き輪には空気が入っているよね!空気がいっぱい入っていれば浮くし、逆に空気が抜ければ沈んでいく。それといっしょで、肺にいっぱい空気を取り込めば浮くし、肺の空気を出すほど沈むんだよ。ここでは、思い切り息を吐いて沈んでみよう!」
②浮き
「だるま浮き」⇒「くらげ浮き」⇒「大の字浮き」⇒「背浮き」
*ここでは、肺いっぱいに空気を吸うことを意識させます。
③ボビング
ここでのポイントは、2つ。
〇見通しをもたせること!
これが10回できるようになると、25mを泳ぎ切れるようになるよ!
〇笛でリズムをとること!
「1,2、3,パッ」というリズムが、クロールの息継ぎのタイミングにつながります。このリズムを、準備運動の段階から取り入れていきます。「ピ、ピ、ピ~、パッ!」
④主運動Ⅰ(泳力調査)
泳力調査!
〇コースごとに並ばせる。
〇最大25m。
〇途中で立ってしまったら、その場で止まる。先生に記録を教えてもらったら、プールから上がる。
今回の単元は、1回目と最終回に泳力調査を実施し、その伸びを実感することを目指す構成。まずは、泳ぎ方の細かな指導はせずに、泳力調査を実施します。第1回目のの記録は大事な指標になるので、先生がメモしておくか、子どもに覚えさせて、あとで学習カードに記録させましょう!
④交流
*今回は、導入の1時間ということで、交流はなし!
交流は、交流するための土台がないと、ただの水掛け論になってしまいます。導入の1時間では、きちんと身に付けるべき技能を教え、2時間目以降からはそれを土台として、「できているかどうか?」「その技能を身に付けるためのコツ」について交流していきます!
⑤主運動Ⅱ(クロールの中心技能を教える!)
クロールの中心技能については、下記の記事にまとめました。その内容を、教えていきます。
ここでは、ルールの説明や泳力調査でそれほど時間が残っていないことが予想されます。
①陸上で動きの説明
②プールを横に使って、一気にたくさんの人数で泳がせる
という流れで、クロールの中心技能を確認していきます。
⑥整理運動
怪我や体調不良がいないかを確認します。
⑦シャワー・着替え
⑧振り返り
着替えて教室に戻った子から振り返りをさせます。
今回は、「学びに向かう力」を見ていきたいので、「『これからの学習でどんなことを目標にするのか?』『そのために、どんなことを頑張ろうと思っているか?』について書けるといいね!」と各観点を示します。そうすると、書くのが苦手な子も、「それについて書けばいいのか…」と書き始めることができます!
評価について
今回は、1・2/8時間目ということで、「学びに向かう力、人間性」を中心にみていきます。
【観察】練習に取り組む態度、意欲
C…練習に参加できていない B…練習に参加している A…意欲的に練習に参加している
【学習カード】振り返り
C…これからの目標が書けない B…これからの目標や頑張ることが書けている
A…これからの目標や頑張ること、思いがより具体的に書けている
『水泳』② 1-2/8時間目【6年7月】』のまとめ
それでは、まとめです。
いかがだったでしょうか?次の時間は、今回教えた技能をもとに、グループごとに分かれ、記録更新を目指します。そのためにも、「もっと泳げるようになりたい!」「このポイントを意識したら、もっと泳げるようになりそう!」そんな想いを引き出したいですね。次は、3・4/8時間目にフォーカスします!
もし「こんなやり方もあるよ!」「このやり方が効果的だった!」というアイデアがあれば是非教えてください。一緒に学んでいけたら嬉しいです!
それでは、また!
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